M-交響楽団は2022年、桐朋学園大学の有志の学生により結成されました。
結成当初から同大学の学園祭など学内での演奏活動を積極的に行ない「M響」の愛称で親しまれています。オーケストラ公演のみならず、楽員による室内楽公演やアウトリーチなどの活動も行っています。
音楽活動においては「『心のオアシス』の創造」をコンセプトとし、独自の選曲と音楽へのアプローチにより、誰もが音楽に親しめる環境作りに取り組んでいます。
M響の「M」ってなんのM?
「M-交響楽団」の「M」は様々な意味があるとされていますが、まず初めに挙がるのはM-交響楽団の前身である「森松組管弦楽団」の頭文字であるMを継承したというものです。
当時、桐朋学園大学の学園祭の一企画として発足した際には、楽団の筆頭であった、オーボエ奏者の森松炎山氏の名前を取り、上記の名称が検討されていました。しかし結成当初から「この楽団がひとつの企画として終わらず、今後も末長く活動・成長を続けていけるオーケストラに育てていきたい」という強い思いから、より普遍的であり一個人に囚われないアルファベット一文字を冠とし現在の名称へと改名しました。
現在では、「みんな」のMや「ミュージック」、「メロディ」、「more (英:もっと、多くの)」、「Magnus (羅:偉大)」などとたくさんの意味が込められています。
なお、森松組管弦楽団の筆頭であった森松炎山氏は現在、M響の楽団長であり、音楽監督です。また、彼は自ら演奏にも参加しており、ソロ・オーボエ奏者を経て、グランド・コンサート・チューナーを兼任しています。
コンサート・チューナーとは。
当楽団では、「コンサート・チューナー」というポジションがあります。基本的には首席オーボエ奏者がこのポジションを受け持つことが多いです。
さて、オーケストラの公演において、はじめに楽音を出すのは誰でしょうか。それはきっと多くの場合で、首席オーボエ奏者であり、その音は「チューニングのA(ラの音)」でしょう。このチューニングのために発せられたA音は、コンサート・マスターに受け継がれ、弦楽器、管楽器、と次第に他の楽器へと広がっていきます。このチューニングという行為は、一番は各楽器の音程を整えることにありますが、奏者がその日のコンディションやホールの響きを確認するためにもあります。さらには聴衆によっては、チューニングの音を聴くとこれからコンサートが始まるんだという高揚感や期待感を感じるという方もいます。このようないろいろな役割を背負ったA音を出すオーボエ奏者は、まさにその演奏会の響きを整える「調律者」であり、管楽器セクションをはじめとしたオーケストラ全体の中心人物の一人と言えるでしょう。そんな役割を持った人を私たちは「コンサート・チューナー」と呼び、中でも特に優れた奏者は「グランド・コンサート・チューナー」と称されます。